aphasia ロングインタビュー(Part 1/4)
2017年4月に前作より8年を経て遂に発表されたaphasiaの最新作「Ever-lasting Blue」は多くの雑誌媒体やWebサイトで絶賛され、メロディアスハードロックのaphasia健在であることを世に知らしめた。そして今回は何と言っても新メンバーとしてHM/HRとは異なったバックグラウンドを持つ実力派Sion(Vo)と元WOLFという経歴を持つken(B)の加入が話題となっている。
筆者はこれまでにも弊誌やNoir誌(BLACK-LISTEDより発行されていたHM/HR専門誌、現在休刊)でも何度かaphasiaの取材やライブレポートを行っており、今回の作品も弊誌Vol.10で取り上げたかったが、タイミングが合わず掲載が叶わなかった。しかしこの傑作についてこの自分がaphasiaに話を聞かないなんてありえないとメンバーや関係者、弊誌スタッフに協力を頂きインタビューの実現となった次第である。
今回はその最新作「Ever-lasting Blue」にフォーカスしたインタビューをメンバー全員に行い、本作品制作にあたって興味深い話を伺う事が出来た。
かなりの長さとなってしまったため、HMFブログ初の複数回に分けての掲載となる事をご容赦頂きたい。
(Interview by Hisashi ”SWA” Motonaga)
(aphasia CD情報)
「Ever-lasting Blue / エヴァ―・ラスティング・ブルー」
2017年4月26日(水)発売
11曲入¥3,024.-(税込)
レーベル:BIT ORGANIZATION
(aphasia LIVE情報)
・2017年8月6日(日) 西川口 Hearts
・2017年9月9日(土) 長野 CLUB JUNK BOX
・2017年9月10日(日) 目黒 LIVE STATION
aphasia Official Site(http://www.aphasia.jp)
HMF:長かったですね~、前回私がNoir誌で「Sweet Illusion」発売の取材をしたのが2009年8月です(笑)
goe:あ~、8年前(笑)
HMF:曲作りには苦労されましたか?
goe:曲については最初の1~2年で殆ど出来てたんですが、色々あってレコーディングが中々進まなくて、終わる気がしなくなって(笑) いや、笑いごとじゃないんですけど(笑)
HMF:曲自体は流風さん(前任Vocal)在籍時に作られていたんですよね? Sionさんが加入されてから形が変わった曲などはありますか?
goe:形が変わったのもありますが、流風さんの時に方向性の問題でやめたほうがいいとボツにしていたみたいなのがちょっとあり、例えば”Love motion”とかはそうだったんですが、Sionが入った事で彼女なら合うかもなって事で復活させました。”約束の地”もキーの問題で厳しいかなと思っていたんですが上手いこと歌ってくれましたね(笑)
HMF:完全にボツになった曲などはあるんですか?
goe:SADEみたいな曲とか(笑)(Sionの)歌録りが始まった時点でマテリアルは揃っていたんで今回無理に仕上げなくてもいいだろうと言う事で見送りました。時間も無かったし(笑)
HMF:それはいずれ日の目を見ることは?
goe:はい、Sionに合っているんじゃないかと思うのでいずれ。
HMF:kenさんやプレイヤーの影響で形を変えていったものなどは?
goe:kenさんのベースで変わった物も多々ありますね。レコーディングでkenさんは「ギターに合わせる」とか言うんですけど、kenさんが弾いた後でベースを聴いて、私が(ギタープレイ)変えちゃうんで、折角kenさんが私に合わせて弾いているのに後に録る方が勝ちだなと(笑)
HMF:それを聞いて如何ですか?(笑)
ken:良い事もあり悪い事も(笑)そういったバランス感覚を持っている人が集まっているから出来る事で、普通はアンサンブルがある程度構築されている中でやっていくんですが、皆「そう来るならこう」みたいな感じなんですよ。
goe:そんな感じで変わっていくんですよね。
HMF:今回結果的にこれだけ時間があったと言う事で曲を余計にいじり倒したりするような事は無かったですか?
goe:ギターやコーラス等をどんどん加えていく事はありましたが、ヘッドアレンジは全く変わらなかったです。
HMF:前回の取材で「次回はラップ的なものを」と言われていたんですが・・・
goe:多分ラップ的な要素を曲間に挟むという事だったと思うんですが、確かにそんな事言っていましたね。その時のマイブームだったんですね(笑)
HMF:いつもならアッパー系の曲もあったりしますが、今回は無いですよね。
goe:”Love motion”がそれっぽかったりするんですが、Sionが歌うと何か切なく仕上がりましたね(笑)
HMF:歌詞についてですが、goeさんの作る曲は素直にサビを繰り返さないという歌詞って多いですよね。
goe:曲では時間かからないんですが歌詞で時間かかっちゃうんですよね。歌詞で半年かかった曲もあります(苦笑)
HMF:歌詞は降りてくる系ですか?
goe:サビは降りてくるんですよ、メロディと一緒に。でも2番3番は変えたいとか思うと迷いの森に入り混んじゃって・・・
HMF:だいたい素直に繰り返さないですよね。
goe:そうなんですよ~ 私の好きなバンドの影響なんですが、やっかいなこだわりです(笑)
HMF:goeさんの書く歌詞って無国籍なイメージがあるんですけど、何か固定なイメージってあったりしますか?
goe:あまり自分がどう思ったとかいうよりは第三者が語るような・・・例えばRonnie James Dioの世界観とか好きですね。
HMF:ここからどこかへ行こうとか旅立とう的な曲も良くありますよね。
goe:多いですね、現状打破的な、海へ出たり空へ飛び立ったり(笑)
HMF:Sionさんのバックグラウンドや活動歴から考えても、メジャーバラード的な曲も今後考えられるのでは?
goe:気が向いたら作るかもしれません(笑) aphasiaに合うなら。
HMF:これからはSionさんが歌う事を想定して曲を書かれるわけですしね。
goe:そうなりますね、キーもSionに合わせたりしていきますし。
HMF:今回曲に対してのVocalアプローチに苦労されたとか悩まれたものなどはありますか?
Sion:”Love motion”は普段の雰囲気とは全然違う可愛らしい女の子だったので戸惑いがありました、私が歌っていいのかな?って(笑)
goe:さっきお話した通り、この曲は方向性的にやめたほうがいいかと迷っていたんですが、kenさんのベースも良かったのでやらないのは勿体ないなあと・・・そこが葛藤だったんですよ。
HMF:この曲調であれだけ動いているベースなのにぴったりはまっていて。
goe:ギター無くても良いと思った位です(笑)
HMF:他の曲でのVocalアプローチは如何でしたか?
Sion:”蒼い蜃気楼”はイメージがすぐにできましたね。後は正統派ロックの”約束の地”とかは普段ロックを歌っている方だったら難無くやれると思うんですけど、私としては表現するのがちょっと大変だったかなって思います。
*次回は各曲の個別解説に入ります、第二回をお楽しみに!