IN FOR THE KILL ショートインタビュー(Part1/2)
2013年の結成以降、各地のイベントでそのアグレッシブさを見せつけてきたIN FOR THE KILL。
ライブとリハーサルで結束を高めてきた4人が今年Spiritual Beastと契約を結び、ファン待望の1stアルバム「IN FOR THE KILL」を10/25にリリースする。
まずはINA(Vo)にバンドやレコーディングについて語ってもらった前半をお届けする。
(Interview by Takashi “Tak_@” Ashida)
IN FOR THE KILL / IN FOR THE KILL
11曲入 2777円(税込)
品番:IUCP-16274
発売日: 2017.10.25
Barcode: 45 71139 01357 6
バンドオフィシャルサイト:https://www.iftkjp.com/
■1stアルバムが完成おめでとうございます。ジャケットも最高の雰囲気ですね。
ありがとうございます。ジャケットは俺たちも凄く気に入っています。バンドのイメージがよりMETALで凄みのあるものになりました。
今回のジャケットはROTTING CHRIST、BALFOR、BATUSHKA、NORDWITCHなどの作品で知られるウクライナ人デザイナーの、Nurgeslagが担当してくれました。
ジャケットだけではなくて、バンドロゴを含めた今回のアルバムに関する全てのアートワークを彼が担当してくれたんです。
■ジャケットを依頼するにあたって「歌詞を英訳して送った」と仰っていましたが、日本語詞なの知りませんでした。(すみません)拘っているポイントやテーマとかありますか?
歌詞が日本語なのは俺が日本人だからです。ネイティブな英語を話せるボーカリスト以外は、おそらく自分の詞を英訳してもらい、それを歌っているんでしょうけど、俺の場合は使い慣れていない言語、生まれ育ったわけでもない世界の言語をわざわざ使って自分の言いたいことを表現しようとは思えませんでした。大昔、まだバンドマンを始めたばかりの頃に何度かチャレンジしたことはあるけど、自分の歌詞にいまひとつ感情が乗らなかった。
そんな歌を歌うのが嫌で、それ以来長くこのスタイルでやっています。まああんまり日本語だって気がつかれませんけど(笑)。
■これまでデモ以外のリリースがありませんでしたが、焦って出すよりもじっくりと練り上げていこうという考えだったのですか?それとも色々な状況がかみ合わなかったのでしょうか?
どちらかというと、じっくり練り上げるためですね。それは作曲というよりもメンバー構成やお互いのスキルという部分が大きかった。
実は結成から約2年半ほどはドラマーがコロコロ代わっていたんです。今のToruが入るまではドラマーのスキル不足で思うような作曲ができなかった。Toruが入ってメンバー構成は落ち着いたんですけど、より理想的な作曲をするには、Dr.のToruとBa.のTomoがよりMETALを理解する必要があったんです。
実は彼らはこのバンドを始めるまでMETALバンドをやってこなかったので、作曲の際によりメタリックに、納得できるアレンジを求めるには少し勉強が必要だったんです。だからそういう部分でも時間が必要でした。
■バンド結成時のことを聞かせてください。2012年末にMETAL SAFARIを脱退したわけですが、その時点で新しいバンドのコンセプトは持っていたのですか?それは既にIN FOR THE KILLだったのでしょうか?
何もコンセプトはありませんでした。
俺のMETAL SAFARI脱退が発表されたのが確か2012年12月23日。そこから翌年の元旦までは何もせずに空っぽになっていたんですが、とにかく元旦から動き出そうっていう意思はあったんです。
それで俺、元旦は焼肉屋で肉食ってたんですけど、ひとしきり肉食い終わってから、おもむろにRyo-sukeに電話しました。彼のことはシーンの先輩として、それと自分の知る中で最も暴力的なギターを弾くギタリストとして陰ながら慕っていました。
でも彼自身を誘う気は無かったんです。彼はその時すでにBATCAVEに復帰して活動していたんで、彼の知る中で良いギタリストがいたら紹介してもらおうと思ったんです。
でも返ってきた言葉が「俺がやりたい」だったんですよ。
それでMETAL SAFARIを同時に脱退して、「そのあとも一緒にバンドやりてえな」って言ってたTomoも誘って、次の日に早速3人で飲みに行って…
まあそこで意気投合したのがこのバンドの始まりですね。
■バンド名の由来を教えてください。弊誌のスタッフはまさかBUDGIE??って言ってましたが。
みなさんBUDGIEかBLACK SABBATHの曲かってよくおっしゃるんですが違います(笑)。
SKINLABっていうサンフランシスコのバンドがいるんですが、彼らの楽曲からちなんだものです。Ryo-sukeのフェイバリット・バンドで最高にHEAVYなバンドなんですよ。彼が意味も響きもぴったりだってことで提案してきて、みんなでいいね!って。
・Ryo-suke(G)
俺がバンドをやるずっと前からシーンで活躍しています。DEATH FILEやSURVIVE、今もメンバーの一員として活動しているBATCAVEを始め、いろいろなバンドでHEAVYな音楽を追求してきたギタリストです。
・Tomo(B)
俺がMETAL SAFARIをやっていた時に対バンで知り合ったのが最初です。当時彼は百人斬っていうバンドでベースを弾いていて、そこに実はDr.のToruもいたんでけどね。二人は元々同じバンドのメンバーなんです。
それで、METAL SAFARIの当時のBa.が抜けることになった時に、たまたまフラフラしてたTomoを誘ってMETAL SAFARIに加入して。それ以来の付き合いですね。
よくよく考えたらメンバー内で一番付き合いが長いんですけど、彼のバックボーンとかよくわかんないですね(笑)。知り合った当時はよくレッチリやMUDVAYNEが好きだって言ってましたね。元々はそういったベーシストが派手に目立つバンドが好きみたいです。
・Toru(Dr)
さっきも言いましたけどTomoと元々バンドやっていたんでその頃から知っていました。
うちがドラムが安定しない頃にサポートで叩いてくれていたんですけど、猛烈に口説き落として正式に加入してくれて。音楽的なバックボーンは実際Toruに関しても俺はよくわかってないんですけど笑…、彼はTOOLみたいなバンドが好きですね。
彼が今もうちと並行してやっているELEMENTというインストバンドは、まさにああいった音楽性です。
■INAさんがメタルに目覚めたきっかけ、ヴォーカリストになろうと思ったきっかけはなんでしょうか?
METALに目覚めたのは中3か高1でしたね。それまでは当時のビジュアル系とかを聴いていたんですよ。それで楽器とか弾いていなかったんですけど記事読みたさに「BANDやろうぜ」とか買っていて。それで、そこにたまたま載っていたSLAYERの記事に釘付けになったんです。
見た目も悪そうだし、ジャケットもいかがわしいし、それと目を引いたのが、そこに「世界最速!」みたいな見出しがついていたんですよ。それでもうカッコイイー!!ってなって。早速買いに行きました。
その頃たまたま新作として「Divine Intervention」が出ていたのでそれを買って聴いたんですが、今までそんなヘヴィなもの聴いていなかったんでもう頭痛くなっちゃって(笑)。でもこれ聴けるようになったら友達に自慢できるなと思って一生懸命聴きましたね。
同時期に出ていたPANTERAの「Far Beyond Driven」も買って、両方聴いているうちにもう完全にMETALにハマりました。それからはMETALにどっぷりです。
ヴォーカルになろうと思ったきっかけは、俺が24の頃にバイト先で知り合った友人にバンドでヴォーカルやらないかって誘われたのがきっかけですね。
それまでバンドには興味はあったんですが聴く側としてずっと過ごしていて、でもなんとなくベース買ってみたりギター買ってみたりしていたところに誘われたのでやってみることにしました。
バンド経験もゼロだったのでステージに立つのも初めてだったんですけど、凄く気持ちよくて。こんなにも興奮できるものがあったのか!と(笑)。それ以来やめられずにいます。あの時誘ってくれた友人にはとても感謝してます。
■そんな現在のIN FOR THE KILLの魅力を一言でいうと?
俺達は…、鋼鉄無慈悲。ですね。
■これまで見た他のバンドで一番印象に残っているものは誰ですか?よかったら日本/海外のバンドそれぞれ教えてください
うーん難しいですね。これすごく個人的なんでバンドのイメージとしてはどうかと思うんですが、俺は日本だと井上陽水かな(笑)。全然METAL関係ないですけど。
海外だとPANTERAですね。今まで3回観ましたが、まあ俺が大ファンなんであれですけど、どれも興奮しすぎて自分が自分じゃなくなるというか(笑)。やっぱりMETALってそういう音楽ですよね。
■昨年のJAPANESE ASSAULT FEST16 -EXTRA SHOW-のステージが個人的には凄く印象に残っているので、今年Spiritual Beastと契約したのはとても自然な流れに感じました。一昨年のJAPANESE ASSAULT FEST 15に出演した頃からレーベルとは色々話をしていたのでしょうか?
そうですね。実はそれよりもずっと以前の、2014年に無料配布のデモ音源を出した時にすでにレーベルにはそれを渡してアプローチはしていたんです。その時曲がアルバム作れるくらいたまったらまた聴いてくださいとは言っていたんですが、それ以来、さっきも話しましたけどドラムが安定しなくてアルバム用のデモ音源がなかなか作れずにいました。
ようやくそれができたのがちょうど2016年のJAPANESE ASSAULT FEST16 -EXTRA SHOW-前後だったと思います。
■結果的に契約に至った最大の決め手はなんでしょうか?
向こうも俺たちに興味を示してくれていましたし、俺たちもSpiritual BeastというレーベルにはHEAVY METALを扱う国内レーベルの中で特に信頼を置いていましたから。
俺たちの持っていったアルバム用のデモ音源を気に入ってくれて、後日社長とミーティングをして、その流れで飲みに行って…。そこでもお互いに熱いものを感じて契約に至った感じですかね。うーん…、僕ら側としての最大の決め手は社長のMETALに対する愛ですね(笑)。
■海外リリースも決まっていたりしますか?
今はまだ未定ですが、レーベルがそれに向け動いてくれているようです。決まったら最高ですね!
■レコーディングに使用した御殿場のTapestry Recording Studioはもともと映画館だったと聞いていますが、そこで生み出された音は想像以上でしたか?
想像以上でしたね。これ以上出せないだろってくらいの爆音でアンプを鳴らせるんですよ。こじんまりした部屋でパソコンの前で全て完結してしまうような録り方とは、一味違うしたものになっているはずですよ。
■今回の収録曲は全てストックされていたものですか?新たに書き下ろしたものはありますか?
結成当時からライブで鍛え上げて、アレンジにアレンジを重ねてきた楽曲たちです。レコーディング前のプリプロでヴォーカルアレンジも一新しましたし、歌詞の内容も大きく変わった曲もいくつかあります。そういった意味では全曲新曲です。
■かなり集中して録音をされていたように思っていますが、全行程どのくらいの期間の作業だったのでしょうか?
4月の1日からレコーディングに入ってMIX、マスタリング含めた全行程が終わったのが10月頭ですから、期間としては半年ですね。
でもその間毎日レコーディングやMIXをしていたわけじゃないですからね。各週末に何日間か使って御殿場へ各パートを録りにいって、また翌週末録りに行って…。
実質どれくらいの日数だったのかは、すいません、もう忘れてしまいました(笑)。
■今回のレコーディングで、一番苦労した点はなんでしたか?
うーん…、歌い切る、弾き切る、叩き切る、ですかね。メンバー全員、動けなくなるまで演奏したものが入ってますよ。メンバーも、エンジニアも、レーベルも、全員が納得いくものが録れるまで、みんな毎回12時間前後演奏し続けたんで。
俺も声がダメになるギリギリまで毎日歌い続けたし、それによって引き出された発想やテンションや気持ちが録音されています。メンバー全員こんなに大変なレコーディングを経験したのは初めてだったけど、やって本当に良かったと思っています。
1stアルバムのレコーディングの仕方として、これ以上は無い熱量の込め方が出来たんじゃないかなと思っています。
■リリース後、12/1のワンマンまでライブが決まっていますが、どんなライブを見せていただけるのでしょうか?
レコーディングを通して鍛えられた部分はあると思うんで、それ以前と比べて、バンドとして成長した姿を観せたいですね。
それと今までは聴いてもらえるアルバムが無かったので、ライブに来てくれるお客さんも、俺たちの作品を聞き込んで来るってことができなかった。だから改めて、アルバムを聞き込んだ上で来てくれるみんなと作る空間がどんなものになるのか、今から楽しみです!
■ありがとうございました。最後にブログ読者に一言お願いします。
最後まで読んでくれてありがとうございます。結成から約4年かかってやっとデビューアルバムができました。随分とかかったけど、そのぶん熱量が最高に高い作品になっています!わかる奴にはわかるはず!是非購入してライブにも遊びに来て下さい!待ってます!!
(次回は、Ryo-suke(Gt)の楽曲コメントと、メンバー全員のショートアンケートをお届けします。こちらもお楽しみに!)
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アルバムは素晴らしいバランスで調整され、ライブ感を残しながらも、クリアな刻み、ソリッドなグルーヴを堪能できるものに仕上がっている。
この強力な一枚を是非チェックして、IN FOR THE KILLのライブに足を運んで欲しい。
≪ライブスケジュール≫
2017.10.28(土) 三重県・四日市CLUB CHAOS
2017.10.29(日) 長野県・飯田市CAFEINdustry & CANVAS
2017.11. 4(土) 東京都・吉祥寺CLUB SEATA -JAPANESE ASSAULT FEST 17
2017.11.18(土) 大阪府・梅田ZEELA
2017.12. 1(金) 東京都・東高円寺二万電圧 ワンマン