aphasiaインタビューExtra
aphasiaインタビュー蔵出し版公開です! 前回掲載時には構成上の理由で掲載を見送った部分や、新作の情報に関わる未確定の部分がありましたので、改めて追加掲載致します! 来年のライブも続々決まっているようなので、新作と合わせて期待して待ちましょう!
(Interview by Hisashi ”SWA” Motonaga)
(aphasia CD情報)
「Ever-lasting Blue / エヴァ―・ラスティング・ブルー」
2017年4月26日(水)発売
11曲入¥3,024.-(税込)
レーベル:BIT ORGANIZATION
(aphasia LIVE情報)
・2018年1月21日(日) aphasia主催「HEART HEAT LIVE!! vol.7」目黒LIVE STATION
・2018年1月28日(日) 富士ANIMAL NEST
・2018年2月25日(日)「ROCK of AGES vol.7」吉祥寺CLUB SEATA
・2018年3月25日(日)「LOUD&PROUD vol.391」吉祥寺CRESCENDO
aphasia Official Site(https://www.aphasiajpn.com/)
HMF:今作では今までやってなかった事をしようと言う事でしたが「歌詞を詰め込む」「doo-wapなどのコーラス」の他に何かトライされましたでしょうか?
goe:”約束の地”の最後どんどん盛り上がっていくのは私として初の試みでした。本当はギターももっと入っていたんですが、あまりにもてんこ盛りになりすぎてカットしました(笑) ぐちゃぐちゃになる直前まで盛り上げたかったんで頃合いが難しかったです。
HMF:今作でのギタープレイでご自分の一番の成果を挙げるとすれば?
goe:成果と言うか、スタジオではなく家で一人で全部録るのは初めてだったので、良くやったなと褒めてあげたいです(笑) 誰かに「それで良いんじゃない」と止めて貰えない無限地獄は中々にキツかったです(笑) そんな中で、最後の最後に弾いた”Love motion”のギターソロはそれっぽいフレーズのソロと私らしいのとを平行して弾いてて、どっちの方向にするか締め切りに追われる中決めないといけなくて、結果私らしい方を選んだんですが、そのチョイスは良かったと思います(笑)
HMF:逆にギタープレイ面で次回以降の宿題とお感じになった事などはありますか?
goe:一人で弾こうがスタジオと同じで「一発入魂!」。今回は無駄に沢山弾いて疲れたんで次回からはほどほどにします(笑)
HMF:Sionさんの過去の経験値を最も活かせたのはどの曲のどの部分でしょうか?
Sion:”蒼い蜃気楼”は振り幅が広く、壮大で強く、且つ繊細な曲だったので、1曲を通してジャンルなどの意識を外して歌いました。自由にやらせてくださって自然と落ちてきたものを表現することができました。
HMF:本作への取り組みに関して流風さん以外のシンガー又は歌唱スタイルを意識された、もしくは参考にされた部分などはありますか?
Sion:今回の作品のためにとあえて聴こうとしたというよりは、Vocalistとしての幅を広げるという意味で他のジャンルの音楽は聴いていました。ただ、一人のアーティスト、一組のバンドを追うというよりは様々な方の曲を聴いて自分の糧にできてaphasiaへ還元できたら・・・というスタンスで聴いていました。映画「ドリームガールズ」の劇中歌”And I’m telling you I’m not going”は熱い感情が迸るような曲で、原曲はもちろん、様々なアーティストがカバーしていたので、聴き比べて自分でも歌っていて、そこは楽曲に影響が出ているかもしれません。あと、最近R&B系でも80年代、90年代の懐かしいサウンドがまた流れていることもあり、Bruno marsの「24K Magic」は聴いていました。懐かしサウンド繋りかもですね(笑) 特に”Versace on the floor”は好きでしたね。
HMF:aphasiaのVocalistとして自分自身現時点での課題があるとすればどんなものでしょうか?
Sion:前にもお話をさせて頂きましたが、まずはハードロックやメタルというジャンル自体に免疫がなく、アコースティックやゴスペル、アカペラなどと比べると、それぞれの楽器がメインとなるので、音のバランスだったり表現の仕方などは他の経験してきたものとは違ってまた新しい幅を広げられる良い機会だと思っています。また、aphasiaに加入する前は若い女性に共感を得られるような楽曲が多かったですが、aphasiaは懐かしくキャッチーで良い意味で抽象的且つ壮大な世界観の楽曲が多いので、aphasiaを長らく愛してくださる方々に自分の個性も出しながら、どうアプローチしていけるかが課題でもあり、楽しみです。また、Vocalが変わって新たに聴いてくださっている方にもより一層aphasiaを愛してくださるよう、精一杯歌いたいと思っています。
HMF:勿論今作が最高傑作だとの自負をもってリリースされた事かと思いますが、今回junさんから見て新加入の二人が本作にもたらしたものは何でしょうか?
jun:え~。偉そうですけど、Sionさんは安心感、kenさんは緊張感ですかね。Sionさんは、一般的に求められる『表現力』はもうお聴き頂いてる通りだし、私が個人的に特に欲しかった『ピッチ(音程)と滑舌の良さ』…コーラスを多用するので特にですかね。当たり前といえば当たり前の要素なんですけど(笑) 基本的に日本語で勝負してるので、曲を作る時に歌詞をどう乗せたら聞こえやすいかとか、メロの抑揚に合わせるとか、ものすごく意識してます。これも当たり前ですが、aphasiaは特に厳しい(笑) 例えば「橋」なんか下降メロに入れちゃうと「箸」になるので、絶対上昇メロに入れるとか。「光」はきちんと「H」を利かせないと「怒り」になっちゃうし。なので、レコーディングでメロや詞を一発でちゃんと表現してもらえるのはすごく安心感がありました。楽曲の再現性にもつながるので、LIVEでも曲をしっかりお届け出来て、みなさんと一緒に楽しめるというのは大きいですね。
kenさんは、歌心のあるベースラインや表現の多彩さが持ち味だと思うんですけど、音に説得力があるし、音使いが想像の斜め上から降ってくるので(笑)、応酬しなきゃとこちらも力が入るし、良い意味で緊張感があります。安心感と緊張感、相反する様ですけど、作品だけに限らずBANDの進行上でも、どちらも大事な要素なんだなと改めて気づかされました。安心して展開出来る状況が作品にも反映されてるんじゃないかと。ただ『良い曲ね』で終わらない、なぜかCDを繰り返し聴いてしまう奥行き感がもたらされてるのでは?と思います。
HMF:本作で変わらないaphasiaとは何でしょうか? また(いい意味で)変わったところがあるとすればはどこでしょうか?
jun:変わらないのは『おふくろの味』的な、曲(味)の良さ? いつ家に帰ってきても『あぁ、この味』って。自分達では『aphasia節』って呼んでます(笑) 変わった部分は味付け(表現の幅)が増えたことでしょうか。今までもアルバムを出す度に「変わった」「変わらない」と両方の評を頂くので、たぶんみなさんが私達に求めている部分がそれぞれあって、それについて変化したと思うと「変わった」、そうじゃないと「変わらない」、のじゃないかと思います。例えば髪を切っても、本体は同じなのに、見た人によってそれぞれのリアクションが違う様に(笑) 私達は良い意味で根幹は何も変わってないですし、変わらないつもりです。変わらない=進化しないじゃなくて、これが好きでこれがやりたいという、不変の信念だと思います。
HMF:現体制で昔の代表曲などのリメイクは考えていませんか?
goe:実は、考えてて今具体的な所を話し合ってる所です。現メンバーで昔の代表曲を形にしたいとの思いがあるのと、「今までの曲をSionさんが歌った音源が聴きたい」 との声が多く寄せられてるので。
jun:そうなんです。「Ever-lasting Blue」を発表した直後から、お客さんや関係者の方々から続々… 嬉しいですね。廃盤になってしまってるアルバムの中にも、今もしょっちゅう演ってる曲がたくさんあるし、音源でもまたみなさんに聴いてほしいと思ってます。またお待たせしちゃうとアレなので(笑)、まずは5曲入りを予定してます。来春、楽しみにしててください!